平和な世界を目指して


 


 

 

 

 

核兵器禁止条約採択を受けての声明

 

            2017年8月6日

            世界連邦運動協会

 

私たち世界連邦運動協会は、2017年7月7日に国連本部で開催された交渉会議において核兵器禁止条約が採択されたことを、高く評価し歓迎する。

核兵器の拡散を防止するだけでは核のない世界は実現しない。核兵器保有国が核をなくす努力をしなければ、非保有国の核開発を止める主張は説得力を持たない。核拡散防止条約(NPT)は第6条において「全面的かつ完全な軍縮に関する条約交渉を行うことを約束する」との誓約を確保している。核兵器禁止条約は非保有国による開発・保有を禁止するのみならず、保有国が保有する核を解体していく義務にも触れた画期的なものであり、NPT第6条の理念に実効性を持たせるものである。

私たちは1948年8月6日、広島被爆3周年を機に発足以来、国内外の関係諸団体と協力し、一貫して核兵器の廃絶を訴えてきた。物理学者アインシュタイン博士は、日本初のノーベル賞受賞者となる湯川秀樹博士と会い、「私の理論のためにあなたの国に原爆が落とされて申し訳なかった。」と言って涙を流し、その後ともに世界連邦実現のために力を注いだ。創生期において核物理学の最先端の学者たちも活動の中心にいたことが当団体の特色である。

「国家の安全保障のためには他国の無辜の民を犠牲にしてもやむをえない」という思想が核廃絶の妨げとなっている。世界規模・地球規模の安全保障体制を創設し、核なき世界を実現することが私たちの目標である。 日本政府は毎年、国連に核兵器廃絶決議を提出し、圧倒的多数の国の賛成を得ているが、今回、その日本政府が核兵器禁止条約の交渉会議に加わらなかったことは遺憾である。

すぐさま核兵器禁止条約に賛成するわけにはいかない理由があるにせよ、唯一の被爆国として核兵器保有国と核兵器非保有国との間の軋轢を解消し、核兵器廃絶に向かう道筋を提示する積極的な外交を展開することが望ましい。

被爆者たちは自らが生存するうちに核兵器のない世界が実現することを望んでいる。その希望を実現することこそが唯一の被爆国・日本の責務である。

(1)1948年に発足当時の団体名は「世界連邦建設同盟」(初代会長 尾崎行雄)であったが、現在の「世界連邦運動協会」と同一の団体である。

(2)1955年、世界連邦建設同盟の総会で「8月6日(ヒロシマ原爆の日)を世界連邦デーと定め、啓蒙宣伝の一大世界運動を展開する」ことが決議された。その総会で第二代会長に推挙された東久邇稔彦殿下は「戦争をしないということを国の憲法としたことは、人類史上の一大事件であって、日本国民の誇りであるばかりか、それは全人類の悲願であるのだから、この精神を世界化し、世界の憲法にすべきでそのことを世界各国に勧めることは最初に原爆を受けた日本人の特権であり、しなければならない責務だと思います」と述べられた(小塩完次著『世界連邦建設同盟創立25周年 世界連邦運動われらの歩み』9頁)。